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全国秘湯巡り・熊本/大分杖立温泉と天ヶ瀬温泉(前編)杖立温泉編
第1日目 羽田空港→福岡空港→日田→杖立温泉 第1日目
(杖立温泉の鯉のぼり→クリックすると拡大します)熊本県には数多くの温泉場があるが、温泉場に鯉のぼりを飾る行事は杖立温泉が嚆矢と云われている。 しかもその数3500匹というのは半端なものではない。 この鯉のぼりを見たいと思うが、杖立温泉を訪ねるというと二の足を踏むことになる。 羽田から、熊本空港経由がよいのか?、福岡空港経由がよいのか?。 福岡空港経由がよいとして、日田で乗り継ぎがよいのか?、直行バスがよいのか?。 で、結局、福岡空港から日田へ高速バスで行き、日田から杖立温泉行きに乗り換える案を採用し、杖立温泉からは黒川温泉方面には行かず、もう一度日田に戻って天ヶ瀬温泉を訪ねるという行程で予定を組んだ。 この計画なら10箇所以上の共同浴場の入湯も期待できる。 富士山が世界遺産に登録・・・ 早朝大船駅で羽田行き京急バスに乗って羽田で機上の人になった。 (世界遺産に決まった富士山) 羽田を出発したJALの航空機は、左側に富士山が見えるコースを選んでくれた。 丁度主翼の上の席だったので、富士山はあっという間に航空機のエンジンエンジンに隠れてしまったが、ともかく数枚の写真が撮れた。 前夜からの雨は富士山では積雪を見たらしい。 この日(2013年5月2日)の朝刊の各紙は富士山の世界遺産の登録を、日本イコモス委員会がユネスコに勧告したことを報じていた。 鎌倉は勧告されなかったとのこと。 このページのTop 日田バス福岡空港は久しぶりだった。 国内線のターミナルが三つもあって、日田行きバスがどこから出るのか分からなかったが、案内嬢の適切な案内で予定より一台前のバスに乗ることが出来た。 九州自動車道から大分自動車道に乗り継ぐ九州の高速道路は快適で、途中のバス停の名前はなじみの薄い名前だったが、杷木で両サイド一面に広がった柿畑は美しく、大船の八百屋で「福岡柿」として秋の終わり頃に売っている大きな見事な、しかも甘い富有柿の産地がここだったのかと感慨もひとしおだった。 ひろさんは無類の柿好きである。
このページのTop 日田の町並み日田のバスターミナルに降り立つ。 場所はJR日田駅と道を隔てた所にあり、杖立温泉行きのバスの時間を確かめた後、豆田の町並み見物に出かけた。 昼食を兼ねて1時間半の散策となる。 日田の見所は、日田北部(豆田町)と日田南部(隈町)に別れており、タクシーは豆田町に向かった。 JRのガードをくぐり抜けると、すぐに「重要伝統的建造物群保存地区」に入り、左折して豆田町みゆき通りを進む。 お奨めのグルメスポットで下ろしてくれと頼んだので、「そば馳走庵 草八」の前でとまり、草八が良かろうという。 草八はみゆき通りに面した佐藤家の中をくぐり抜けた裏庭の奥にあった。
店内は薄暗く(というか重厚な感じで)一階のテーブル席の他に二階に座敷がある(らしい)。 ざる蕎麦と草八ランチ(平日限定)を頼む。 草八ランチはそばの他に、味飯、小鉢、漬け物がつく。
そばは色がやや黒く、腰の強いそばで、味飯はそばの実を炊き込んだ御飯、小鉢はこの日は胡麻豆腐だった。 草八の建物は窓がない。パンフレットによれば万延2年建築の蔵とのこと。二階に上がれば蔵と云うことがはっきりしたろう。 おかみさんは築160年です、とのことだった。 結構な昼食だったが、時間がかかったので、豆田みゆき通り→風呂屋町→豆田上町通りと歩いてバスターミナルに戻った。 白壁の美しい町並みの写真を以下に掲げる。
このページのTop ● 杖立温泉(杖立温泉行き日田バス)この日のバスはやや小さめのバスで、乗客は12〜3人ほど。 年配者が多く、車内は賑やかだった。 市街地を抜けて、三隈川をわたり、やがて山道にさしかかる。 日田街道といわれる国道212号線である。 この道路は大山川に沿って走り、松原ダムで分岐するが杖立温泉を越えて小国町の中心部に至る。 杖立温泉は、杖立川の両岸に旅館が密集する温泉地で、国道に面する旅館は数が少ない。 バスターミナルはもちろん国道際にあるが、バスから降りて杖立川を俯瞰して見ると、数多くの鯉のぼりが目刺しのように吊してあった。風がないと、鯉のぼりも写真写りが良くないのだ。 背戸屋と呼ばれる細い路地を下って橋を渡り、予約した「かねいし」旅館に荷物を置く。 このページのTop ● 杖立温泉共同浴場巡り杖立温泉には三箇所の共同浴場がある。元湯、薬師湯、御前湯の三軒で、今日泊まる「かねいし旅館」の近い御前湯は杖立川の左岸、元湯と薬師湯は川の反対側の右岸にある。 かねいし旅館のおかみさんにいろいろと情報を聞き、御前湯に向かう。 御前湯 御前湯はかねいし旅館の背後にあり、背戸屋と呼ばれる細い石段の道を薬師堂に向かい、途中右折すると小屋の前に出る。歩いて5分ほどか?。
御前湯は小さな小屋で、山を背に小さな平地に建っていた。 左側が男湯、右が女湯で、手前に小さな脱衣場があり奥に浴室がある。 脱衣場には木の脱衣棚が4人分。 浴室も間口は狭く、奥に石造りの浴槽がある。 共同浴場に入ったときから硫黄臭が漂い、期待通りのヌルすべ感があるお湯で、無色透明なお湯はややぬるめ。 杖立温泉は源泉が90度を超える熱さなので、源泉と水道水を同時に投入していることが多く、ここも水道の蛇口が源泉の湯口と隣り合っていた。 その日の気象状況とお湯と水の比率で、浴槽の中は熱くもぬるくもなるのだが、前の人が温度調節してくれていないと、お湯が熱すぎたり、冷たすぎりするらしい。 家人は女湯から、かきまぜれば温度は丁度良くなると怒鳴ってくれたが、男湯はややぬるめだった。 共同浴場の入浴料は料金箱という鉄製の箱に入れる仕組み。 このページのTop もみじばし御前湯から元湯に行くため、杖立川を渡る必要があるが、温泉街の最下流の紅葉橋(もみじばし)を渡った。 この橋は、屋根があり、また、絵馬ならぬ絵鯉が数多くぶら下がっている橋で、絵鯉に願い事を書くとそれが叶うとのこと。 このページのTop 元湯対岸に渡って、杖立川の岸沿いに下流方向に歩くと、元湯はすぐだった。 川岸の岩がくりぬかれたように凹んで居る。このへこみに対して屋根掛けされ、廻りに竹の目隠しで囲ってある。 川原にあるので、たびたび水害に見舞われたと思われるが、脱衣スペースは川原にコンクリートを打ち、川の上流に向かって板塀の目隠しもあり板塀に脱衣用棚が設置されていた。 源泉と水道水は脱衣スペースのあたりにパイプが設置され、どんどん投入されている。 浴槽は7〜8人が入れそうで、表面は熱かったが入って掻き混ぜるとややぬるめの湯温になり、快適なお風呂となった。 無色透明なお湯で、杖立温泉はこの元湯から始まったとも云われる。 引き続き薬師湯に向かう。 もみじばしで背戸屋を上に上り、国道に出るすぐ手前に薬師湯がある。 このページのTop 薬師湯薬師湯は浴室内に脱衣場がある一体型の共同浴場で、衣服は脱衣棚に入れることが多い。 薬師湯も浴室手前に脱衣棚があり、一段下がった浴場に浴槽画があるが、間に間仕切りはない。 無色透明なお湯はやや硫黄臭がする。 浴槽は深めで、お湯の温度も高め、というよりやや熱く、数分しか入っていることが出来なかった。 水道の蛇口が湯口のそばにあるので、水道水を入れれば良いのだが、今日立て続けに3湯も入ったので、お湯を何杯もかぶって出ることにした。 入浴料金は脱衣棚のそばの入浴料金入れに投入する。 杖立温泉で入ることが出来る三軒の共同浴場に入ったので当面の目標は達成できた。 また、共同浴場を探す時に大体の背戸屋も歩くことが出来た。 で、次は杖立プリン。 かねいし旅館のおかみさんは新ひたやのプリンが今日は看板が出ていたので良いのではないかと云っていた。 このページのTop 新ひたやの「からいもプリン」と立ち寄り湯もみじばしを渡って、川原の車道を歩き、杖立橋を過ぎると新ひたやがある。 新ひたやのプリンはからいもプリンと名付けてあり、中に甘く煮た薩摩芋が隠れていた。 お湯に入り疲れていたので、甘いものが特に美味く感じられた。 家人は、かねいし旅館に戻るというので、ひろさんは新ひたやのお風呂に入れてもらう。 新ひたやのお風呂は宿の裏手にあり、脱衣場は一階と同じフロアだが浴場は階段を6段ほど下った場所にあった。 これは、理想の配置で、昔のお風呂場がそのまま残っているということ。 浴室も広くなく、浴槽も3〜4人しか入れない。 あつい湯(90度ほど)と水道の蛇口が並んでいて、注意書きの張り紙もある。 浴槽内のお湯は塩梅良く調節されていて、入ると心地よい。 ヌルすべ感があり、硫黄臭もしてとても良い湯であることが分かる。 お湯はナトリウム−塩化物泉(低張性 アルカリ性 高温泉)で、泉温は89.5度とのこと。 新ひたやのむし湯は、脱衣場の下を有効に使っているので立って入ることは出来ず四つん這いになって入り、大の字になって静かに寝ているタイプ。 昔はこういうタイプのむし湯が多かったそうで、戸を閉めると真っ暗になる。 初体験のむし湯のので不安になり、早々に出てしまった。 このページのTop ふくみ山荘の立ち寄り湯時間が早いのでもう一軒立ち寄り湯を試したいと、薬師堂の方向に路地の階段を上り、「ふくみ山荘」に行く。 ここも、かねいし旅館のおかみさんの推薦。 山の中腹にあるふくみ山荘はリニューアルしたそうでまだ新しい。 この日は卓球大会の出場のため、沖縄から中学生が到着するので、早めに出て欲しいとのこと。
脱衣場も浴室も高級仕様で、特に露天風呂は植栽の緑の中で入り心地が良かった。 各浴槽は温度調節が程よく、内湯はお湯を循環使用しているとのことだがカルキ臭より硫黄臭がまさっていた。 泉質はナトリウム−塩化物泉(低張性 アルカリ性 高温泉)。 また、むし湯は立ったまま入れるサウナ室のようなスタイルで、新しい旅館は寝て入る方式は改めているようだ。 狭い石段を下りて杖立川の川原の道に戻るとかねいし旅館はすぐだった。 このページのTop ● かねいし旅館かねいし旅館のお風呂かねいし旅館は杖立川に面した三階建ての旅館で、部屋は三階。 三階の部屋からは鯉のぼりがよく見えた。 対岸の旅館の窓から照明が漏れる時間だった。
この旅館に宿泊するので、だらだら過ごせばよいのだが、暗くなるとお風呂の写真が撮りにくいので、お茶を飲みお菓子を食べて、夕闇迫る中をお風呂に入った。
お風呂は石造りで、6〜7人が入れる大きさ。 お湯は、杖立の典型的なナトリウム−塩化物泉で、適温に保たれ、若干の硫黄臭も漂う。 ヌルすべ感もたっぷりだが、いくつもお風呂に立て続けに入って来たので湯あたりを気にする必要があった。 窓の外に、露天風呂(庇の下なので外湯と呼んでいるらしい)があったが寒い間は閉鎖とのこと。 むし湯は立って入るスタイルで、浴室の入り口にあった。 このページのTop かねいし旅館の夕食さて、かねいし旅館の夕食は部屋食で、豪勢な料理が並んだ。 前菜は、焼き海老、タケノコ、枝豆、蓮根の素揚げ、わらびで、タコの酢の物、コンニャクの梅肉和え、キノコの胡麻和えなど。 お造り、馬刺し、鮎の塩焼き、天ぷら、鍋(渡り蟹、豚肉、白菜、豆腐、椎茸)、茶碗蒸し、茶そば、写真に無いが香の物、すまし汁、フルーツなど。 こんなに並んで、1万円を切る宿賃とは驚く。 もっと、種類を少なくして更に安い方が良い・・・とは云えないのか?。 食前酒は、ご主人手作りの梅酒。 かねいし旅館には、ご主人手作りの果実酒の広口ビンがそこかしこに置いてある。 と、まあこんな調子で第一日目が終わった。 このページのTop 第2日目
かねいし旅館の朝食は部屋食で、ま、普通の和食だった。かねいし旅館のロビー 朝食後、ロビーでコーヒーを飲み、おやじさんと雑談した。 おやじさんは4月半ばの鯉のぼり祭りの川原への準備は半日で済むという。 そもそも、鯉のぼりの泳がせ方だが、川の両岸に沿って15メートルほどの高さの鉄のパイプが等間隔で並んでいる。 このパイプに、川に沿って3段ほどのスチールワイヤーを張るのだが、これは業者さんの仕事だという。 このワイヤーに鯉のぼりを取り付けたロープを川とは直角に張るのだが、ロープには鯉のぼりがあらかじめ取り付けられている。 取り付けるには魚釣り用のテグスを使う。 鯉のぼりの付いたロープを川の両岸の鉄ワイヤーに張る仕事が半日ほどかかるのだろうか?。 ロープに付いた3500匹の鯉のぼりを、各旅館や商店などがそれぞれ協力し合って川に張る様子も壮観に違いない。 平成25年の鯉のぼりの受け付け用パンフレットが旅館のロビーに置いてあった。 「鯉のぼり代+名入れ料金は4000円」で、いろいろの祈願を受け付けている。 杖立温泉観光協会『鯉のぼり係り』 (0967)48-0206 かねいし旅館は昭和5年の創業で、当時をしのぶ品のいくつかがロビーに置かれていた。 柱時計などは健在で、今も時を刻んでいた。
このページのTop ● 鯉のぼり祭り旅館をチェックアウトして、バス停に荷物を置き、踏み湯、足湯、むし湯、などを見て回った。連休なので、家族連れのお客が増え、温泉街もようやく活気が溢れてきた。 鯉のぼりの写真を中心に何枚かを以下に掲げる。
● 日田へ戻る(日田行きのバス)日田に向かうバスは昨日と違って大型バスで乗り心地が快適だった。 松原ダムの支流には数隻のボートがもやっていて、キャストしながら魚を釣っている人達がいた。連休の最中だという気がしてきた。 バスの時間は正確で、途中の景色の移り変わりも申し分なかった。 杖立温泉と天ヶ瀬温泉(後編 天ヶ瀬温泉)へ このページのTop
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